基本

花冷えとはよく言ったものです。昨日今日と寒さが戻ったようでした。

昨日4月5日土曜は貫汪館本部での稽古、今日4月6日日曜は北大阪支部の夜の稽古をしました。

 

本部稽古では、午前中は大石神影流の、午後は大森流の稽古でしたが、実に多くの指導を頂きました。大石神影流では、特に槍合(字が違いますが…)の稽古が刺激的でした。一間半の槍を突きだしてくる相手に入り身で懐に入り、槍を払って斬撃をするのですが、この入り身が難しい。というより、槍が怖い。

槍先は点です。その点が顔面に向かって突かれます。しかも早い。入り身なんて、とんでもない。逃げ身になります。どうにか入り身で入っても、槍が引かれて次の一撃がくるまでに、槍を払わなければなりません。つまり流れるような動きをしなければならない。非常に難しい。

槍の代わりに六尺棒で稽古をしましたが、この稽古が…とても面白かった。ああ、ボキャブラリーの少なさに悲しくなります。面白いというかなんというか。

形の稽古でありながら、槍は逃げてよいという前提で稽古をすると、形ではなくなります。しかも槍が表面、裏面のどちらを突いてもよいとすると、一気に身も縮むような緊張感が!昔はこういう稽古をしていたのではないでしょうか。

 

他にも面小手胴をつけて打ち合う稽古もしました。いろいろ試してみましたが、限られた打突部位を打ち合う稽古では、シンプルな技が有効なようです。これは今後の検討が必要です。嬉しかったのは、現代剣道風の打ちが(あんまり)出なかったこと。貫汪館の動きが出来るようになってきたと思えた瞬間でした。前回は、剣道になってしまいましたからね。それでも、今回思わず「小手!」と発声してしまったのはご愛嬌ということで。

 

それにこれまで、二度ほど教えてもらったのですが、さっぱり分からなかった三学円之太刀を横浜支部長に丁寧に教えてもらいました。実は今回も、師匠と師範が模範をやってくださっていて、私もビデオを準備していたのに、自分の稽古に没頭していて途中まで見ることができなかったのです。駄目だね、こりゃ。ま、二日酔いではないにしても、金曜夜の飲み会で痛飲してしまったので、是非もなし。「ビデオを撮るから準備をしておくように!」と妻に何度も言っていたらしく(よく覚えていません…)、撮れなかったというと、妻のほうがガッカリしていました。許せ、妻よ。

そんな因縁?付きの三学円之太刀です。ムズカシイ技ばかりですが、しっかり稽古をしていきたいと思います。

 

大森流では、やっぱり初心に返りました。出来ないことばかり目についてしまいます。それだけ奥が深いということでしょうね。じっくり取り組むことにしましょう。

 

で、今日の稽古。今日は体験をしたいという方があったので、基本から稽古をしました。礼法、着座、歩法、斬撃など繰り返します。やはり難しいようです。難しくて当たり前です。だって普段の体の遣い方とまったく違うんですから。でも、これでないと槍を相手に体を働かすことができない。昨日の体験で痛切にそう感じました。体の遣い方がすべてなのです。これが基本です。これが基本で、すべてなのです。

 

手の内の具合を考えたり、抜き付けの工夫をしたり、斬撃で悩んだりしていますが、要は自在に動くための努力であって、その結果が、たとえば槍を相手に戦える心と体を手に入れるということなんだと思います。すべては「地続き」なのです。十分な礼法や歩法ができなければ、初発刀や横雲といった英信流、そして大石神影流の技の数々を使うことができない。私が使える英信流や大石神影流の技も、私ができる礼法や歩法のレベルを超えることはない。当たり前の話なんですが、初心のうちは分かりにくい。まぁ、私もまだまだ初心のレベルなのですけど。

 

この二日で、非常によい体験をすることが出来ました。

でも、くたくたです。消化不良も起こしているようなので、明日からは心身の整理に充てたいと思います。

 

                           平成26年4月6日