太刀打の稽古

無双神傳英信流の太刀打の形は独特です。

抜刀術の形なので、剣術系の形とは違うのはもちろんですが、たいていの剣術形は、遠い間合から近づいて、打ち間に入ってからの攻防があって、その後、斬撃の応酬になります。

古流剣術の大家が集まって作り上げた日本剣道形がその代表でしょうか。

 

でも、英信流の太刀打は異なります。間合に入るとすかさず斬撃に移ります。

するすると近づき斬撃を行う。勝負は一瞬。流れるように動きが止まりません。

これまで他流も少し学びましたが、詰合と並んで、私にとってこれまで学んだ二人で行う形の中で、一番好きなものです。

そしてむずかしい。

 

この形の稽古では、やっぱり力みが邪魔になります。

斬撃を決めようとすると、その意識だけで、微妙に力んでしまうのです。

刀を太刀の道に沿って静かに動かすのです。

ムリに早く振ろうとか、強く打とうとかする必要はまったくありません。

むしろそんな気持が、刀の動きを阻害してしまう。

勢いが余って前のめりになってしまったり、相手の刀と接触するから強く払おうなんていうのも、御法度です。

素抜き抜刀術で学んだ体と刀の遣い方を忘れないようにしましょう。

逆にいうと、太刀打の形で、自分の悪いところが明らかになりますから、そこを改善するためにまた素抜き抜刀術の稽古に取り組むのです。

非常に合理的な形の体系になっていますね。