刀の声を聴く

11月24日月曜夜の稽古


流石に三連休最終日の夜に、武術の稽古をしようなんていう物好きはいないようです。

広い武道場を独占することが出来ました。

今日も赤がねさんと二人の稽古です。


昨日までに、大森流十一本を学び終えたので、今日はぶっつけで大森流を通しました。

私が私のペースでゆっくり抜くので、それについてくるようにしてもらって、さぁ開始。


呼吸に注意して、静かに動きます。余計な力を入れずに、静かに静かに、です。刀の声を聴くのです。粗雑に動いたり、力を不用意に入れてしまうと、刀の声が聞こえません。太刀の道から外れてしまいます。太刀の道を知るには、ゆったり大きく静かに体を遣って、刀の声を聞かなければなりません。


稽古が進むと、いろんな形を学びます。所作は覚えなければなりませんので、反復稽古が必要です。その際、注意しなければならいのは、ただ単に所作を反復するだけでは駄目だということです。所作を通じて、太刀の道を知ることが大切なのです。無理無駄のない太刀の道はどういうものであるかを問いながら、所作を学ぶのです。


私自身がこれまで多くの業を学びました。新しい業をよく練習しないと体が動かないと思い、とにかく反復するようにしていました。

でも、稽古時間に限りがありますし、教えているときは新しい業の稽古は出来ません。

それでも、基本となる業(今日なら大森流)を稽古するうちに、認識が変わってきました。業も少し変わったように思っています。

要するに、無理無駄なく太刀の道に沿うように動けばいいのです。それがなかなかムズカシイのですけど。でもそれを心がけていれば、普段稽古できない業でも、以前とは異なるレベルで動けているように思うのです。


風呂敷の真ん中をつまんで引き上げます。するとつまんだところを頂点として、そのほかの部分も引き上げられていく。大学時代に就いていた師の言葉です。


多くの業を学びながら、本質を見失わないような稽古を心掛けましょう。

今日は抜いた数は少ないですが、良い稽古ができました。


来週は、武道館が貸し切りになってしまって、稽古できません。

次回の稽古は12月に入ってからになります。


                                                                 平成26年11月24日